司法における「治療的な」関係とは
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- 毛利 真弓
- 広島国際大学心理臨床センター
書誌事項
- タイトル別名
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- “Therapeutic” relationship in the judiciary
- a therapeutic judicial view from the viewpoint of clinical psychology
- 臨床心理の視点から見た治療的司法
抄録
本稿では、「治療的司法・正義」を実践するために重要な要素の一つである、「治療的な関係性」に ついて、以下の 3 つの点から論じた。1専門家がパワーを乱用せず、また犯罪者もパワーを持って いることを自覚した「治療的矯正関係」を意識することが必要であること、2ノルウェーの実践から 学べるように、実践者と犯罪者が本当の意味で「対話」し、人間同士として出会うことの重要性、3 筆者が実施した日本の刑務所出所者へのインタビュー調査からは、受刑者が人として尊重されるこ とが肝要であることが理解できること、の 3 点である。治療的司法を実践するための法的整備等と 同時に、実践家が役割や一定のパワーを行使しつつも、犯罪者と「人と人として」出会う場と時間を どう作り維持するか、それをどう研修していくかも考慮すべきことであると考えた。
収録刊行物
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- 法と心理
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法と心理 18 (0), 29-33, 2020
法と心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390846609822640384
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- NII論文ID
- 130007828891
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- ISSN
- 24241148
- 13468669
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可