中学校3年「生物と環境」における「生態系の多様性」と「生物進化」を結ぶ単元開発

  • 名倉 昌巳
    大阪市立下福島中学校(兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科自然系博士課程)
  • 松本 伸示
    兵庫教育大学

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Learning Plans Integrating “Ecosystem Diversity” and “Biological Evolution” Topics into an “Organisms and the Environment” Unit
  • 中学校3年「生物と環境」における「生態系の多様性」と「生物進化」を結ぶ単元開発 : 中学生の科学的進化概念の形成と誤概念の保持について
  • チュウガッコウ 3ネン 「 セイブツ ト カンキョウ 」 ニ オケル 「 セイタイケイ ノ タヨウセイ 」 ト 「 セイブツ シンカ 」 オ ムスブ タンゲン カイハツ : チュウガクセイ ノ カガクテキ シンカ ガイネン ノ ケイセイ ト ゴガイネン ノ ホジ ニ ツイテ
  • —Via Discussion of Scientific Concepts Regarding Evolution, and Addressing Misconceptions among Lower Secondary School Students—
  • ―中学生の科学的進化概念の形成と誤概念の保持について―

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抄録

<p>平成29年改訂の中学校学習指導要領では「生物の種類の多様性と進化」は中学校第3学年に移行し,「遺伝の規則性と遺伝子」や「生物と環境」の単元と同じ学年で教えられるようになった。一方,「生物多様性」は(1)遺伝的多様性,(2)種多様性,(3)生態系の多様性に大別されている。このうち「生態系の多様性」の根底には「生物進化」の存在がある。すなわち,現代の「多様な生態系」に「多様な種」が生息しているのは,共通な祖先からの「生物進化」の結果である。そこで,「生物と環境:自然界のつり合い」の単元において,空間的視点である「生態系の多様性」と,時間的視点である「進化」をつなぐ単元開発を行った。そして,本研究では,中学生の学習過程における「生態系の多様性」の理解,及び「科学的進化概念」の形成,並びに「誤概念」保持の様相を検証することを目的とした。パフォーマンス課題をはじめとする各課題の分析や質問紙調査の結果から,「生態系の多様性」への理解は一定程度促されたが,同時に生物学上の誤概念の保持の様相も明らかになった。特に,「優れた者が生き残る」などの誤概念は払拭されにくいという結果になった。 </p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 60 (3), 603-613, 2020-03-30

    一般社団法人 日本理科教育学会

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