下部尿路症状を有する後期高齢者に対するタダラフィルの有効性と安全性の検討

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  • EFFECTIVENESS AND SAFETY OF TADALAFIL IN VERY ELDERLY PATIENTS WITH LOWER URINARY TRACT SYMPTOMS

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抄録

<p> (目的) BPH/LUTSに対して,α1-blockerが第一選択薬として使用されてきた.2014年にPDE-5阻害薬の新規薬剤タダラフィルが承認され,2017年の男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドラインにおいてGrade Aと高い評価を得ている.今回,後期高齢者に対する有効性と安全性に関して検討した.</p><p> (対象と方法) BPH/LUTSに対してタダラフィルを投与した75歳以上の後期高齢者84例を検討した.</p><p>投与前,投与後4週,8週,12週,24週のIPSS,QOL-index,OAB,最大尿流率,残尿量を後ろ向きに検討した.有効性と同時に安全性についても検討した.</p><p> (結果) 患者背景は,年齢中央値80.1±4.38歳,前立腺体積41.2±24.3cc,IPSS 15.7±5.68,タダラフィル投与以前にBPH/LUTSに対する治療を行っていた患者は67.9%だった.統計学的解析は24週後まで内服を継続できた71例で行った.</p><p>IPSS,QOL,OABSSにおいて,投与4週後から有意に改善し24週後までその効果は維持された.残尿検査では8週のみ有意な改善を認めた.</p><p>有害事象は9例(10.7%)に出現し,内服を中止せざるを得なかったのは5例(6.0%)だった.</p><p> (結論) 下部尿路症状を有する後期高齢者において,タダラフィルは有効性,安全性が高い薬剤であると考えられた.</p>

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