ESIにおける脱溶媒温度変化に伴うスペクトル変化を利用した分子質量推定法

  • 髙橋 豊
    エムエス・ソリューションズソリューションズ株式会社

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Mass Estimation a Method Using Spectral Change with the Desolvation Temperature in an Electrospray Ionization
  • ESI ニ オケル ダツヨウバイ オンド ヘンカ ニ トモナウ スペクトル ヘンカ オ リヨウ シタ ブンシ シツリョウ スイテイホウ

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抄録

<p>LC/MSで最も汎用的なイオン化法であるエレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization, ESI)はソフトイオン化の代表例であり,通常フラグメントイオンは生成しない.しかし,ある種の水酸基を有する化合物においては,正イオンで[M+H], [M+Na], [M+NH4]等が生成せず,[M+H]からの脱水イオン([M+H-H2O])が主に観測されることがある.未知試料の測定においてこのようなイオンが観測されると,分析種の質量情報を取得する際に不都合を生じることになる.本研究では,LC/MSに用いられるESIにおいて,通常の脱溶媒温度では[M+H]からの脱水イオン([M+H-H2O])が主に観測されるコレステロールやオイデスモールなどの化合物に対して,脱溶媒温度を下げることによって,マススペクトルパターンの変化から分析種の質量情報を正しく取得する方法を見いだしたので報告する.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 69 (3), 115-120, 2020-03-05

    公益社団法人 日本分析化学会

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