骨髄異形成症候群のクローン進化

  • 昆 彩奈
    京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Clonal evolution of myelodysplastic syndromes
  • コツズイイケイセイ ショウコウグン ノ クローン シンカ

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抄録

<p>次世代シーケンス技術の革新を背景とした網羅的ゲノム解析により,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes, MDS)の病態に関わるドライバー変異の全貌が明らかにされた。ドライバー変異は段階的に獲得されること,ドライバー変異の間には強い共存・排他関係が存在することが明らかとなり,さらに,MDSから二次性白血病に進展する過程の遺伝子変異の全貌の解明も進んだ。一方,健常高齢者において,ドライバー変異を有する「クローン性造血」が高頻度に認められることが報告された。さらに,新規の胚細胞変異が同定され,MDSを発症するはるか以前にすでに変異が存在することも明らかとなった。初期のドライバー変異を獲得した胚細胞あるいは正常造血幹細胞が,前がん状態を経てMDS,さらには白血病へ進展する過程におけるクローン進化についての知見の蓄積が進んでいる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (4), 358-367, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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