壊死性腸炎後に全結腸萎縮を来たした超低出生体重児の1例

DOI
  • 佐伯 勇
    地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院小児外科
  • 向井 亘
    地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院小児外科
  • 尾山 貴徳
    地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院小児外科
  • 今冶 玲助
    地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of extremely low birth weight infant who developed total colonic stricture after necrotizing enterocolitis

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抄録

<p> 症例は664gで出生した男児.日齢12に回腸の特発性消化管穿孔を発症し,前医にて小腸瘻を造設された.2カ月時に眼科治療目的で当院に転院となった.転院7日後に壊死性腸炎(Necrotizing enterocolitis:以下NEC)を発症し,保存的治療を行った.転院時には小腸瘻肛門側から肛門まで造影剤が通過していたが,NEC軽快後は肛門に到るまでの全結腸が萎縮し閉塞した.3歳時に腹腔鏡下全結腸切除と小腸の肛門へのプルスルー手術を施行した.NECは保存的に加療後も腸管の狭窄を来すことがある.本症例は特発性消化管穿孔に対して小腸瘻造設術後に肛門側の腸管にNECを来した稀有な症例であった.また,NEC後の腸管狭窄はその多くが孤発性で,左半結腸に好発するとされているが,本症例では小腸のプルスルー手術を要するほど,肛門に到るまでの全結腸の萎縮を来たしており,これまで同様の報告はない.</p>

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