UFTの術後補助化学療法中に薬剤性肝障害と播種性血管内凝固症候群を発症した1例

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  • Drug-induced liver injury and disseminated intravascular coagulation syndrome caused by UFT prescribed as postoperative chemotherapy: Report of a case

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抄録

<p>肺癌の術後補助化学療法として行われるUFT療法の副作用として播種性血管内凝固症候群(DIC)は稀である.症例は66歳男性.HBV既感染がある以外に既往歴はない.右肺S6bの肺腺癌に対し右肺下葉切除+縦隔リンパ節郭清を施行し,術後補助化学療法として術後1ヵ月よりUFT療法を開始した.しかし内服6週間後の外来受診時に38℃台の発熱と体調不良を訴え,肝障害を認めたため緊急入院とした.UFTの内服を中止し肝庇護療法を行ったが,入院翌日に急性期DICを発症した.このためトロンボモデュリンの投与を開始したところ状態は改善し,入院後23日で退院となった.本例はHBV-DNA量の上昇を認めなかったため,HBVの再活性化による肝障害ではなくUFTによる薬剤性肝障害と判断した.UFTは外来診療で投与し易い抗癌剤であるが,薬剤性肝障害やDICが起こりうるため,少なくとも投与後2ヵ月間は十分な観察が必要である.</p>

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