山口ゆめ花博「健康の庭」を散策した高齢者の心身反応―脈拍,血圧,自律神経バランスの変化および散策後の気分を通した検討―
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of strolling on the mind and autonomic activities of elderly people in the 2018 Yamaguchi Yume Flower Expo Well-being Garden based on the heart rate, blood pressure, low frequency/high frequency and mood
- ヤマグチユメ カハク 「 ケンコウ ノ ニワ 」 オ サンサク シタ コウレイシャ ノ シンシン ハンノウ : ミャクハク,ケツアツ,ジリツ シンケイ バランス ノ ヘンカ オヨビ サンサク ゴ ノ キブン オ トオシタ ケントウ
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抄録
<p>背景と目的:近年,自然環境がもつ癒やし効果を活用した森林セラピーが全国各地で行われ,医療現場においても,緊張やストレスを緩和するために植物を用いた環境づくりが試みられている.そのような折,山口大学と日本造園建設業協会山口県支部とが,健康増進を目的にデザインした「健康の庭」を,山口ゆめ花博に共同出展する機会を得た.自然環境内を散策する森林セラピーの効果は多く報告されているものの,造形された庭がもたらす心身への効果は明らかにされていない.そこで今回,「健康の庭」の散策が高齢者の心身に及ぼす影響を調査することにした.方法:「健康の庭」を訪れた65歳以上の人のうち,現地でのリクルートに応じ,不整脈のなかった158人(男性50人,女性108人,年齢71.2±4.9歳)を対象とし,対象条件を満たすことを確認する問診,「健康の庭」散策前後の脈拍,血圧,自律神経活動測定,散策後の気分などの主観的評価の聞き取りを行った.結果:散策前後で,脈拍は76.1±12.9/分から73.9±11.8/分,収縮期血圧は142.5±24.4 mmHgから139.4±24.1 mmHg,拡張期血圧は83.7±12.0 mmHgから81.5±11.9 mmHgとなり,低下が認められた(p<0.01).また自律神経活動測定では,散策前にLF/HFが高値であった59人は散策後に下がり,低値であった57人は上がって(p<0.01),基準値に近づいていた.散策後の気分は,74人が「とても」,84人が「まあまあ」気持ちがよかったと回答した.結論:本研究の結果から,「健康の庭」の散策は,高齢者の心身に好影響を及ぼしたと考えられた.</p>
収録刊行物
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- 日本老年医学会雑誌
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日本老年医学会雑誌 57 (2), 155-162, 2020-04-25
一般社団法人 日本老年医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390566775137325568
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- NII論文ID
- 130007848934
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- NII書誌ID
- AN00199010
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- NDL書誌ID
- 030474199
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- ISSN
- 03009173
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- PubMed
- 32475943
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可