重症心身障害児の訪問教育を革新するICT(情報通信技術)システム

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タイトル別名
  • Enhancement of visiting education by using an ICT system for an in-home student with severe motor and intellectual disabilities.
  • ジュウショウ シンシン ショウガイジ ノ ホウモン キョウイク オ カクシン スル ICT(ジョウホウ ツウシン ギジュツ)システム

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抄録

重度の障害のために通学が困難な生徒は、教員が家庭・児童福祉施設・医療機関などに出向いて行う「訪問教育」を受けている。本研究は、information and communication technology ; ICT(情報通信技術)を活用して、訪問生と通学生が一緒に学習をしたり、学校行事や居住地学校との交流にも参加できる訪問教育システムを構築した。そして、実証研究を行ってその有用性と課題を評価し、実用化への要件を提言することを目的とした。対象訪問生は小学部に在籍する重症心身障害児であった。本訪問教育ICTシステムは、居宅の訪問生と教員との一対一の教育から学校の通学生と一緒に学習する一対多の教育体制に近づけ、コミュニケーション能力の向上を促し、社会参加への環境を拡大することができた。また、ICTを活用して終業式や卒業式に参加し、訪問生が全校生徒や教員を知る機会を得たのみならず、彼らも訪問生の存在を学友として理解することができた。さらに、居住地小学校との交流は地域との関わりをもつ新しいきっかけとなった。こうした成果は、ICTが訪問教育を革新し、訪問生の学校や地域への参加を促す可能性を示唆した。

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