ナルメフェン投与により飲酒量低減から断酒が得られたアルコール性肝硬変の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of alcoholic liver cirrhosis treated with nalmefene and abstinence from alcohol
  • 症例報告 ナルメフェン投与により飲酒量低減から断酒が得られたアルコール性肝硬変の1例
  • ショウレイ ホウコク ナルメフェン トウヨ ニ ヨリ インシュリョウ テイゲン カラ ダンシュ ガ エラレタ アルコールセイ カンコウヘン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は61歳,男性.2年前に他院でアルコール性肝硬変と診断されていたが専門医療機関は受診せず.その後,難治性腹水が生じ,腹水コントロール目的で当院を紹介.入院管理での保存的治療により腹水は消失,さらに退院後も断酒の状態を維持できたため肝機能は改善した.しかし,断酒4カ月頃より飲酒を再開,徐々に肝予備能の低下と腹水が増加した.断酒目的で専門医療機関の受診を勧めたが本人は拒否,代案として飲酒量低減薬を提案したところ同意が得られナルメフェンによる治療を開始した.開始後,徐々に飲酒量は減少,治療開始2カ月後には断酒の状態となり腹水の消失と肝予備能の改善が得られた.アルコール依存症の治療は断酒の達成とその継続を目標にするが,すぐに断酒できない場合は飲酒量を減らすことから始めることの一つの手段である.本症例ではナルメフェンを開始したことで飲酒量低減から断酒へと繋ぐことができた.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 61 (6), 335-340, 2020-06-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (4)*注記

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