遺伝子解析に基づく両神山産コイワザクラ(サクラソウ科)の分類学的考察

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タイトル別名
  • Taxonomic implication for <i>Primula reinii</i> from Mt. Ryokami in Saitama Pref. based on molecular analyses
  • イデンシ カイセキ ニ モトズク リョウカミヤマサン コイワザクラ(サクラソウカ)ノ ブンルイガクテキ コウサツ

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抄録

コイワザクラPrimula reinii(サクラソウ科)は急峻な山岳地帯の湿った岩場に生育する日本固有種である.種内は4変種に分類されていて,そのうち狭義コイワザクラ(var. reinii),チチブイワザクラ(var. rhodotricha),クモイコザクラ(var. kitadakensis)が埼玉県の秩父山地に自生している.しかしながら,両神山に自生している集団については様々な分類学的見解があり,形態的特徴からどの変種に当たるかを判断することが困難であった.そこで本研究では,両神山に生育するコイワザクラの分類上の位置付けを明らかにするために葉緑体DNAを用いた分子系統解析を行なった.系統解析の結果,両神山のコイワザクラは狭義コイワザクラの系統に含まれることが明確に示された.本研究は,絶滅危惧種であるコイワザクラの保護に関する今後の研究に貴重なデータを提供するものと思われる.

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