高社交不安者における注意の向け方に関する メタ認知的信念尺度の開発

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タイトル別名
  • Developing the Metacognition of Focused Attention in Subjects with High Social Anxiety Questionnaire
  • コウシャコウ フアンシャ ニ オケル チュウイ ノ ムケ カタ ニ カンスル メタ ニンチテキ シンネン シャクド ノ カイハツ

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抄録

社交不安においては、自己注目(自己の思考や身体感覚への過度な注意)と外部環境への注意バイアス(他者へ の過度な注意)という注意の問題が指摘されている。本研究は、自己注目と注意バイアスを生じさせるメタ認知的信念を測定する 尺度を作成し、信頼性と妥当性を検討することを目的とした。自己注目と注意バイアスのそれぞれについて、ポジティブなメタ認知 的信念とネガティブなメタ認知的信念の2因子構造を想定し、「高社交不安者における注意の向け方に関するメタ認知的信念尺度」 を作成した。その後、学生253名に対して質問紙調査を実施した。探索的因子分析によって項目を抽出し、確認的因子分析で構 造的妥当性を確認した後、内的整合性を確認するためにα係数を算出した。また、基準関連妥当性を検討するために、社交不安症 状を測定する尺度との相関係数を算出した。さらに、構成概念妥当性を検討するために、各下位尺度と、それぞれに類似する概念 もしくは異なる概念を測定する尺度との相関係数を算出した。信頼性の検討については、2週間の間隔をあけた再テスト法を用いた。 分析の結果、自己注目に関するメタ認知的信念を測定する2因子8項目と注意バイアスに関するメタ認知的信念を測定する2因子8 項目から構成される質問紙が作成された。信頼性と妥当性については、「自己注目に関するポジティブなメタ認知的信念」の基準関 連妥当性および構成概念妥当性を除いて、概ね十分な信頼性と妥当性が示された。今後、本尺度を用いることで、メタ認知的信 念を含めて社交不安における自己注目と注意バイアスの関係性を検討することが可能になると考えられる。

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