乳児早期発症し,剖検で確定診断した肺静脈閉塞症の1例

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  • An Infantile Case of Pulmonary Veno-Occlusive Disease Confirmed by Autopsy

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抄録

<p>肺静脈閉塞症(PVOD)は肺静脈の閉塞性病変から肺高血圧を呈する予後不良の疾患である.症例は動脈管開存を合併した1か月男児.肺高血圧クライシスで入院した.肺体血圧比1.3, 平均肺動脈圧43 mmHg, 肺動脈楔入圧6 mmHg, 肺血管抵抗10.3 unit·m2で,エポプロステノール持続静注を含む多剤併用療法を開始した.動脈管は自然閉鎖したが肺高血圧が持続し,特発性肺動脈性肺高血圧と診断した.当初治療への反応は良好であったが,肺血管拡張薬の増量に伴い肺水腫を繰り返した.1歳0か月から急速に右心不全が進行し1歳2か月で永眠した.剖検肺病理で肺小静脈内膜肥厚による肺静脈閉塞および肺胞毛細管の増生を認め,PVODと判明した.一方高度な肺小動脈病変(Heath–Edwards 4度)も認めた.肺血管拡張薬により繰り返す肺水腫をきたす場合はPVODを鑑別に挙げ,肺移植を含めた治療戦略を考えるべきである.</p>

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参考文献 (15)*注記

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