中学校理科における異なる単元の内容を架橋する概念を活かした指導

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書誌事項

タイトル別名
  • Teaching that utilizes the concept of connecting different fields in junior high school science
  • —Focusing on the saturated aqueous solution and the amount of saturated water vapor—
  • ―飽和水溶液と飽和水蒸気量に注目して―

抄録

<p>現在中学校では,飽和水溶液は1年化学領域で飽和水蒸気量は2年地学領域で学習されている。この2つは「飽和」状態における現象であり関係性が単純ではなく理解しにくい内容である。本論では,飽和水溶液と飽和水蒸気量の2つの関係性に共通する概念を明らかにし,共通の概念を架橋するための授業デザインを開発することを目的とした.2つの学習に共通する概念は「飽和」であり高等学校化学で学習する「溶解」平衡の概念である。中学校での溶解平衡概念は「飽和量」「含有している量」「まだ含んでいない量」の3つの要素から成る静的なものである.溶解平衡概念では,飽和水溶液においては溶け出す粒子数と析出する粒子数が等しい状態の動的なものである。溶解平衡の概念に基づけば,飽和状態における出入りする量や数の値を粒子として正確に捉えることができる。また,飽和水溶液や飽和水蒸気量では複合グラフが使用されている。これを溶解平衡の概念でみると,飽和概念が正確にグラフ上に表され,粒子数が質量と正確に一致できる。これらから,飽和の現象を指導するためには,微視的な視点と巨視的な視点を明確に結び付ける溶解平衡の概念としての指導が重要である.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300164373888
  • NII論文ID
    130007855926
  • DOI
    10.14935/jsser.34.10_17
  • ISSN
    18824684
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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