歌舞伎の物語における綯い交ぜの方法の検討とその一方法

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タイトル別名
  • Considering “<i>Naimaze</i>” in <i>Kabuki</i> Narratives and a Method

抄録

<p>「綯い交ぜ」は歌舞伎の物語を作り出すための単なる一手法ではなく,最重要な構成原理である.綯い交ぜに関しては様々な説明があるが,ここでは凡そ,既存のある物語―神話・伝説・民話・語り物・歴史等―の「世界」―人物・事件・時代背景等―をベースに,その他の物語の世界との様々な仕方での合成や関連付けを通じて,一つの新しい物語作品を作り出すという,物語創出原理のことを綯い交ぜと考える.それはその中に多様な手法や技法を含む総体的な用語である.なお歌舞伎の用語法では,ある世界に基づく物語の綯い交ぜによる再組織化の工夫のことを「趣向」と呼ぶ.また綯い交ぜという言葉自体は特に鶴屋南北の特異な作劇法のことを狭くは意味するが,ここではより広く一般的に捉えている.本研究では,綯い交ぜとは何かについて,従来の歌舞伎研究の調査・分析と筆者らの物語生成システム研究との綯い交ぜを通じて考察し,様々なアプローチの可能性を体系的に整理すると共に,その一例として,筆者らが実装した,関啓吾らの『日本民話大系』に記述された民話の型の概念表現化を用いて,複数のストーリーの合成による綯い交ぜのコンピュータシミュレーションを示す.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825189542784
  • NII論文ID
    130007857177
  • DOI
    10.11517/pjsai.jsai2020.0_3p5os16b02
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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