IgG4関連疾患トピックス

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  • Recent topics in IgG4-related disease

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抄録

<p>かつてシェーグレン症候群の亜型とされていたミクリッツ病は,今日IgG4関連疾患に含まれるIgG4関連涙腺・唾液腺炎として新たに疾患として認識されている。疾患概念が提唱されてからすでに15年以上が経過し,IgG4関連涙腺・唾液腺炎の診断基準も改訂され,顎下腺のみといった病変が1箇所のみの場合も診断可能となり,生検部位として口唇腺も明記された。疫学的にはほとんどが40歳以上の中高年で,他の自己免疫性疾患と異なり性差がない。診断の一助として超音波エコー検査も有用で,顎下腺の輪郭不整やエコー輝度が極めて低い低エコー領域などの所見が認められる。診断時には悪性リンパ腫や類似疾患の除外が重要となる。耳鼻咽喉科領域のIgG4関連疾患として,涙腺・唾液腺のほか,特徴的な鼻副鼻腔炎(嗅覚障害を含む),肥厚性硬膜炎,IgG4関連甲状腺疾患などが含まれる。特に甲状腺疾患では診断基準が作成されており,今後症例の蓄積が望まれる。免疫学的検討などから自己抗体,自己抗原の存在が示唆されているが,IgG4関連涙腺・唾液腺炎ではいまだ同定されず,今後の研究成果が待たれる。</p>

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