腹腔鏡下Lich-Gregoir法におけるPrecision operation

DOI
  • 西尾 英紀
    名古屋市立大学大学院医学研究科 小児泌尿器科学分野
  • 水野 健太郎
    名古屋市立大学大学院医学研究科 小児泌尿器科学分野
  • 戸澤 啓一
    名古屋市立大学大学院医学研究科 医療安全管理学分野
  • 安井 孝周
    名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野
  • 林 祐太郎
    名古屋市立大学大学院医学研究科 小児泌尿器科学分野

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Abstract

<p> 膀胱尿管逆流 (vesicoureteral reflux : VUR) は, gradeの違いや他の先天性腎尿路異常を合併するなど多彩な病態を呈するため, 手術適応や術式について種々の考え方・方法が存在する. VURに対する外科的治療には正確さ・精密さが求められることは明らかであるが, 個々の症例に応じた対応も必要である. 現在のところVURに対する手術治療のgold-standardは開腹手術であるが, 近年, 低侵襲治療として内視鏡注入療法や腹腔鏡手術が広がっている. 私たちは, 腹腔内の広いスペースを利用でき術後の血尿や膀胱刺激症状の少ない「膀胱外」アプローチによる腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術 (Laparoscopic ureteral reimplantation : LUR) に取り組んでいる.</p><p> 開放手術にくらべLURは, 尿管膀胱移行部へ容易に到達することができ, 拡大視野や愛護的な操作から排尿筋を支配する神経損傷を回避しうる術式と考えられる. 私たちの手術成績は開放手術を凌駕するものではないが遜色ないものと考えられ, LURは膀胱憩室や重複腎盂尿管を合併したVUR症例にも施行可能であった. 今後もVURに対する“Precision Endourology”, すなわち「精密かつ個別化された」腹腔鏡手術の質を向上させるため, エビデンスを構築することに努めていきたい.</p>

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