小児造血器腫瘍における精密医療と治療標的

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タイトル別名
  • Precision medicine and molecular target drugs in pediatric hematologic malignancies: acute lymphoblastic leukemia
  • 小児造血器腫瘍における精密医療と治療標的 : 急性リンパ性白血病
  • ショウニ ゾウケツキ シュヨウ ニ オケル セイミツ イリョウ ト チリョウ ヒョウテキ : キュウセイ リンパセイ ハッケツビョウ
  • —急性リンパ性白血病—

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抄録

<p>ゲノム解析技術の革新的な進歩に伴い,ゲノム情報をもとに診断や治療を行う高度精密医療が急速に発展してきている。小児急性リンパ性白血病(ALL)は小児がんの中で最も高頻度な腫瘍であるが,遺伝子異常そのものが診断の根拠や治療の層別化に有用である。したがって,小児ALLにおいては,診断時に「ゲノム医療(クリニカルシーケンス)」を組み込むことでより精度の高い予後予測や治療の層別化が可能となることが期待される。近年,次世代シーケンサーを用いた統合的ゲノム解析により小児ALLの分子病態の全体像が次々と明らかとなり,融合遺伝子に加えて,新たに細胞増殖経路やエピゲノムの制御因子の異常が協調的に発がんに関与していることが明らかとなった。これらの情報を基盤としたゲノム医療の実現化が小児ALLの治療成績の向上には急務と考えられる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (6), 657-664, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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