ポリアクリロニトリルモノリスをテンプレートとする多孔質ポリピロールの電解合成

  • 兼田 千奈美
    横浜国立大学大学院理工学府 化学・生命系理工学専攻
  • 田中 健太
    横浜国立大学大学院理工学府 化学・生命系理工学専攻
  • 跡部 真人
    横浜国立大学大学院理工学府 化学・生命系理工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Electrochemical Synthesis of Porous Polypyrrole Materials Using Polyacrylonitrile Monolith Template
  • ポリアクリロニトリルモノリス オ テンプレート ト スル タコウシツ ポリピロール ノ デンカイ ゴウセイ

この論文をさがす

抄録

<p>高比表面積を有する多孔質導電性高分子材料は,キャパシタなどの蓄電デバイスへの応用に際して,容量性能の向上が期待されることから,エレクトロニクスの分野において注目されている.代表的な導電性高分子であるポリピロールは溶媒に不溶・不融の性質をもつため塗布や成型ができない.そこで本研究では,ポリアクリロニトリル(PAN)モノリスをピロール電解重合のテンプレート電極として利用する,多孔質ポリピロール材料の新規合成手法の開発を試みた.モノリスとは貫通した孔と骨格から構成される三次元網目構造を有する多孔体であり,高い通気性・通液性,高強度,高比表面積,軽量といった特性を示すため,これまでに分離剤や吸着剤などへの応用が検討されてきた材料である.本研究ではPANモノリスをテンプレート電極として使用するにあたって,モノリス基体表面に導電性を付与するため無電解ニッケルめっき,引き続き置換金めっきを施した.その結果,骨格表面が均一に金めっきされた導電性を有するモノリステンプレート電極の作製に成功した.またこの電極は幾何学的な表面積と比較して約15倍もの実効表面積を有することがわかった.続いて,この電極をテンプレート電極としてピロールの電解重合を行ったところ,ピロールはPANモノリス骨格表面に均一に重合され,三次元多孔質構造を有するポリピロール(PPy)の合成に成功した.さらに,作製されたPPy/Au/PANモノリスはその多孔質構造による高表面積化により容量特性が大幅に向上した.</p>

収録刊行物

  • 化学工学論文集

    化学工学論文集 46 (4), 129-133, 2020-07-20

    公益社団法人 化学工学会

参考文献 (12)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ