熱帯林冠木における大気飽差に対する気孔反応と葉の特性に関する研究

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タイトル別名
  • Dependence of leaf water functional traits related to stomatal openness in atmospheric drought

抄録

<p>日中の大気飽差(VPD)の変化に伴う気孔コンダクタンス(Gs)と葉の水分特性の関係について、マレーシア湿潤熱帯雨林の林冠樹種9種について樹冠クレーンを利用して調査した。日中のVPD変化に対するGs変化の関係性を明らかにするために、葉の水分特性やGsおよび気象データの日内変動を測定し、VPDに対する気孔の感受性への木材の解剖学的特性の影響を評価した。いずれの種でも、葉周辺の大気飽差(VPDleaf)とGsの間に負の相関があり、VPDleafが1.2-5.9 kPaの範囲におけるGsの応答が得られた。また、平均道管直径の大きい種ほどVPDleafに対するGsの反応性が高く、わずかなVPDleafの変化に対して気孔が素早く応答していた。一方で、葉の萎れ点での相対含水率(RWCtlp)と葉の萎れ点での水ポテンシャル(Ψtlp)については、種間で有意な差が得られたが、これらの葉の水分特性とVPDleafに対する気孔の応答性には相関がみられなかった。以上より、対象樹種においては日中のVPDleafの変化が気孔に対する主要な刺激要因であり、大きな道管径の樹木は、日中のVPDleaf変化に対して気孔の応答性が高く、これにより日中の日射やVPD変化に対する葉の水分状態を維持出来ていると考察した。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848250131612160
  • NII論文ID
    130007880422
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_135
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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