アカネズミ類種子散布によるミズナラのトドマツ人工林への侵入過程の解明
書誌事項
- タイトル別名
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- Seed dispersal of <i>Quercus crispula</i> by <i>Apodemus</i> rodents into a planted <i>Abies sachalinensis</i> forest
抄録
<p>アカネズミ類は森林環境を好むため、それらの貯食行動による皆伐地への種子散布は、皆伐地の森林発達にともない増加していくと予想される。この仮説を検証することを目的に、ミズナラが高密度に混交するトドマツ人工林(1956年植栽)を対象に研究を行った。胸高直径5cm以上のミズナラの年輪解析を実施した結果、ミズナラの侵入時期の頻度分布は、1955年の地拵えからおよそ20年後にピークを持つことが示された。このことから、ミズナラの多くは、皆伐・地拵え直後ではなく、トドマツ植栽木がある程度成長してから定着したことが明らかになった。また、これらのミズナラのマイクロサテライト座の遺伝子型を解析した結果、弱い空間遺伝構造が検出されたことから、ミズナラ種子の長距離散布が示唆された。次にミズナラ種子をトドマツ林内に設置し、自動撮影装置により撮影することで、種子を持ち去った動物種を観察した。その結果、ほとんどの種子がアカネズミおよびヒメネズミにより持ち去られたことから、これらのアカネズミ類がミズナラの種子散布に大きく貢献していることがわかった。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 131 (0), 118-, 2020-05-25
日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390848250131654912
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- NII論文ID
- 130007880489
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可