サクラ類こぶ病に対する光誘導抵抗性のメカニズムに関する一考察
書誌事項
- タイトル別名
-
- A study on the mechanism of light induced resistance to cherry gall disease
抄録
<p> サクラ類こぶ病に対する光誘導抵抗性の生理的メカニズム解明のため、“染井吉野”を供試し、人工照明下での接種試験で発現するこぶ病抵抗性について阻害剤等を処理してその影響を調べた。光合成阻害剤処理による光合成速度の低下は顕著に現れ、強光下と弱光下でこぶ肥大率は上昇して抵抗性の低下が現れ、光合成の寄与が認められた。次に、植物ホルモン類処理の影響を調べたところ、サリチル酸処理でこぶ肥大率が上昇して抵抗性が低下した。一方、ジャスモン酸メチル処理でこぶ肥大率が低下して抵抗性が増大した。加えて、ジャスモン酸阻害剤の処理で、強光、弱光両条件下での抵抗性の低下が認められたことから、光誘導抵抗性へのジャスモン酸の寄与が考えられた。</p><p> 次に異なる光条件のもと、こぶ病菌接種下で上記ホルモン類の生合成とその下流で抵抗性に関わる遺伝子について発現解析を行ったところ、サリチル酸生合成の主要な経路の鍵酵素をコードする遺伝子の発現レベルは低くかった。一方でジャスモン酸生合成経路の鍵酵素をコードする遺伝子は光と菌接種に応じて発現が有意に上昇した。このことは遺伝子発現のレベルでジャスモン酸の寄与を裏付けるものであった。</p>
収録刊行物
-
- 日本森林学会大会発表データベース
-
日本森林学会大会発表データベース 131 (0), 222-, 2020-05-25
日本森林学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390285300178283520
-
- NII論文ID
- 130007880571
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可