大雪山における登山道侵食防止マットによる高山植生への効果

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タイトル別名
  • Effects of erosion control matting on the alpine vegetation in Daisetsuzan

抄録

<p> 大雪山国立公園をはじめとするいくつかの自然公園において、数年前より登山道荒廃とそれに伴う植生破壊が発生している場所を対象に、侵食防止マットによる植生回復作業が行われている。侵食防止マットはヤシ繊維製で比較的軽量であり、運搬が容易で、施工後、数年で自然分解されると期待されており、近年、山岳地の植生回復作業に用いられている。本研究は、山岳地における侵食防止マットの施工効果の検証を目的とし、大雪山国立公園内のマット施工場所の中で、植生タイプや施工方法、利用形態などが異なる3箇所(裾合平、雲の平、南沼野営指定地)を対象に植生調査を行った。</p><p> その結果、マットの施工場所で、裾合平は5種、雲の平は2種、南沼野営指定地は18種の実生個体の発生、及び周辺の植生からの侵入が確認された。優占種は裾合平でチングルマ、雲の平はスギゴケをはじめとするコケ植物やイワブクロ、南沼はチングルマやコケ植物であった。調査地のマット施工後の経過年数は最長で3年であり、今後侵食防止マットが自然分解されていくことによる影響や、調査地の植生タイプ、マットの施工方法の違いが回復にどのような効果をもたらすのかを明らかにする必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775155130624
  • NII論文ID
    130007880784
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_371
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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