まつたけはいつ高級品となったか-戦後のレシピと採取者のヒアリングからー

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タイトル別名
  • When did Matsutake Mushroom Become Luxury Food in Japan?

抄録

<p> 1960年頃まで、山村ではまつたけが身近な食材であったことが既往研究で指摘されている。本研究の目的はまつたけ高級化の過程を戦後の料理書から明らかにすることである。研究方法は文献調査とまつたけ採取者へのヒアリングによった。第1に、1960年代までまつたけは都市の人々にとって身近な食材であった。1958~2019年の『きょうの料理』から抽出したまつたけレシピの分析(N=149)では、1960年代以前と比較して1970年代になるとレシピ数は減少し、レシピの内容は単純化した。1960年代までは節約料理や洋風料理・中華料理にまつたけが用いられていた。一方、1946~1974年に連載された『サザエさん』では、6,761話中14話にまつたけが登場し、初登場は1951年9月であった。同書では1951年から高級品として扱われていた。両者でまつたけ高級化の年代が異なる要因は、まつたけの出荷時期によって、産地や価格の大幅な変動があったことによる。岩手県内のまつたけ採取者3名に対するヒアリングから、高級化の時期に地域差があり、採取者にはまつたけの採取・贈与・共食・環境整備の楽しみが存在した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300178422784
  • NII論文ID
    130007880789
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_369
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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