山岳地における混雑情報提供による登山者への影響

• 愛甲 哲也

  北海道大学大学院農学研究院

• 山本 清龍

  東京大学大学院農学生命科学研究科

• 中島 泰

  公益財団法人日本交通公社観光地域研究部

書誌事項

タイトル別名

• Effect of information supply on hikers regarding trail congestion

抄録

　自然観光地では、利用者の集中による自然環境と利用体験への影響が問題視されている。山岳地では、植生の荒廃、土壌浸食、し尿処理、混雑への対策が必要とされる。自然環境への配慮、体力や力量に見合ったルート選択、混雑の回避などを促すため、様々な情報提供が行われており、効果的な手法、手段の検証が必要である。 　富士山では、収容力の研究を経て、登山者数の目安を設定した。週末や祝日の混雑を平準化するため、登山者が集中する日、時間帯、ルートを推測した「混雑予想カレンダー」を、ウェブサイト、登山雑誌、パンフレットなどで周知している。 　本研究では、混雑予想カレンダーの認知度と、登山者の行動への影響を検証した。2017年と2018年の登山シーズン中に、山梨県と静岡県によって行われたアンケート調査への登山者の回答を分析した。その結果、混雑予想カレンダーを見た登山者は約3分の１で、富士登山オフィシャルサイトが最も多かった。カレンダーを見た登山者の約２割が、登山予定を変更しており、一定の効果がみられた。さらに協力者を増やすには、周知方法や登山者の理解を促す仕組みの検討が必要である。

収録刊行物

• 日本森林学会大会発表データベース

  日本森林学会大会発表データベース 131 (0), 54-, 2020-05-25

  日本森林学会

キーワード

• 山岳地
• 混雑
• 登山者
• 情報

詳細情報

• CRID: 1390003825201812736
• NII論文ID: 130007880927
• DOI: 10.11519/jfsc.131.0_54
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可