復旧防潮堤での緑化手法の検討-盛土土壌の酸性化に対する留意点

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  • Restoration of vegetation in coastal area for acidufied soil on the slope of the tide embankment.

抄録

<p> 宮城県東松島市野蒜海岸沿いの復旧防潮堤における自然再生のための植栽基盤の土壌酸性化とそれに対する留意点について報告する。防潮堤は東日本大震災大津波後に野蒜地区の高台移転で発生した丘陵地の切土で造成された。それは南北に長い柄杓形状で、防潮高約8m、防潮敷約50~100m、全長約800mである。2018年5月に法面6地点で深さ1mまで土壌を採取しpHを測定した。全ての土壌試料でpH(H2O)は4.4未満の極強酸性を、さらにpH(H2O2)が2.7~3.2の極々強酸性を示したことから、潜在的酸性硫酸塩土壌が懸念された(中野1996)。同年10月に中和剤としてカキ殻粉砕物を施用し、周辺の在来樹種の種子から育てた苗等を植栽した。土壌が堅密で植穴を掘ることが容易ではないため、苗を段ボール製鉢に入れて杭で固定する、もしくは客土を入れた合板製土留めに苗を植える植栽方法を用いた。2019年5月に深さ50cmまでの土壌化学性の変化を調査した結果、pH(H2O)は変化が見られなかったが、pH(H2O2)は3.1~3.6を示し、若干の改善傾向が見られた。今後は土壌モニタリングおよび植栽木の地上部・地下部の生長量調査を実施し、強酸性土壌の影響を調査する必要がある。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775155242368
  • NII論文ID
    130007880939
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_545
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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