数学教育において論証をなぜ学習指導するのか

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Abstract

<p>筆算や論証は和算にはない.こうした伝統を明治の学校教育は覆した.筆算は初等教育に位置付けられたが,論証指導は将来のエリートの育成に向けられていた.当時の文学的な言文一致運動とは異なる角度から,曖昧さの排除や形式的厳密などの言語使用の精緻化が目指されていた.次に,論証がどのように思考を精緻化しうるのかを考察した.論証とは本質的にメタ水準の思考といえ,それゆえ一般性が付加される.あらゆる思考活動において,対象水準の思考を批判的・反省的に捉え,メタ水準で思考することが,対象水準の思考の深化とともに,さらなる発展を可能にする.このような,メタ水準での思考は,今日のリテラシーとして不可欠な要素であり,その基盤的形成に論証指導を位置付けることは今日の教育課題といえる.</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390566775156394496
  • NII Article ID
    130007882798
  • DOI
    10.14935/jssep.43.0_283
  • ISSN
    24332925
    09134476
    21863628
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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