オルガネラDNAを自己分解して栄養分にする

書誌事項

タイトル別名
  • Contribution of Organelle DNA Degradation to Nutrient Recycling: Adaptation Mechanism of Seed Plants Derived from Endosymbiosis
  • オルガネラDNAを自己分解して栄養分にする : 細胞内共生から生じた種子植物の生存戦略
  • オルガネラ DNA オ ジコ ブンカイ シテ エイヨウブン ニ スル : サイボウ ナイ キョウセイ カラ ショウジタ シュシ ショクブツ ノ セイゾン センリャク
  • 細胞内共生から生じた種子植物の生存戦略

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抄録

<p>ミトコンドリアと葉緑体は,細胞内共生による進化の痕跡として,バクテリア由来の一部のゲノムDNAをもつが,残りの大多数の遺伝子を宿主である核のゲノムに転移させた.オルガネラに残ったDNAは真核生物の生育に不可欠だが,たとえば葉緑体では必要以上に大量のDNAを保持しており,一見,余分に見えるDNAの生理的な意義付けは長らく疑問であった.なぜ,オルガネラに一部のDNAを残して,しかも大量にもっている必要があるのだろうか.筆者らは最近,種子植物が,葉が老化して養分を転流させたり,リン欠乏による飢餓条件にさらされると,葉緑体DNAを積極的に分解し,リン養分として生育に再利用することを明らかにした.本稿では,このDNA分解システムについて解説する.</p>

収録刊行物

  • 化学と生物

    化学と生物 57 (8), 478-483, 2019-08-01

    公益社団法人 日本農芸化学会

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