大学新入生の発達障害関連支援ニーズとその後の出席率・GPAとの関連

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タイトル別名
  • Relation Between Special Needs Related to Developmental Disorders in College Freshmen and Attendance and Grade Point Average

抄録

本研究では、大学新入生の入学直後に感じている発達障害関連困り感の高さ・低さ、および相談などの学生支援の実行とその後の講義の出席率・成績の関連性について検討することを目的とした。対象者は大学新入生の学生42名であった。対象学生の入学直後に発達障害関連困り感質問紙調査(高橋・岩渕・須田ら,2015)を実施した。また、相談を希望した学生に対しては、筆者が個別相談を実施した。従属変数は、入学直後の前学期の講義の出席率とGrade Point Average(以下、GPA)を用いた。分析Ⅰでは、講義の出席率とGPAの相関を検討し、強い相関がみられた。分析Ⅱでは、個別相談を実施しなかった35名を発達障害関連困り感の高群・低群に分類し、出席率とGPAにおいて有意差がみられるのかを検討した。その結果、発達障害関連困り感の高群は低群に比較し、有意に低い出席率とGPAを示した。分析Ⅲでは、全対象者を対象に、発達障害関連困り感の高群・低群と相談の有無が出席率とGPAに与える影響を検討した。その結果、発達障害関連困り感の高群で相談を実施した学生は、相談未実施の学生と比較して高い出席率・GPAを示した。一方で、発達障害関連困り感の低群では、相談の実施有無による出席率・GPAにおいて明確な違いがみられなかった。以上の結果から、新入学生に対して、早期に発達障害関連困り感質問紙調査を実施し、予防的介入をすることの有効性や、相談を希望しない学生への対応について、考察した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300185891072
  • NII論文ID
    130007892944
  • DOI
    10.20744/incleedu.9.0_90
  • ISSN
    21899185
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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