低周波騒音曝露による平衡感覚への影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Influence of exposure to low frequency noise on balance in mice
抄録
<p>【目的】低周波騒音(LFN)は100 ヘルツ(Hz)以下の周波数を持つ騒音と定義され、空調・電気機器・重機等から最大110デシベル(dB)の音量で発生している物理的環境因子である。マウスを対象にした我々の過去の研究により、LFNは平衡感覚に影響する事が分かってきているが、リスク評価に基づいたLFNの標的組織の情報が極めて限られており、予防法は確立されていない。本研究は、LFNをマウスに曝露し、平衡感覚の感覚器である内耳の前庭への影響を調べた。</p><p>【方法】野生型マウスを対象に、100 HzのLFNを70-95 dBの音量で1時間曝露した。行動解析と前庭誘発筋電位(cVEMP)により平衡感覚を評価した。免疫組織染色により内耳の前庭の病理解析を実施した。統計解析はSteel-Dwass検定などを用いp<0.05を有意差ありとした。</p><p>【結果】95 dBのLFNの1時間曝露により平衡感覚の行動解析とcVEMPの成績が有意に低下したが、聴力への影響はなかった。Electron probe microanalysis (EPMA) 解析により、曝露群の前庭の有毛細胞でカルシウムの低下が観察された。免疫組織染色により、前庭の耳石膜のダメージが観察された。最後に、修復分子のHSP70の発現を増強した遺伝子改変マウス(HSP70-Tg)をLFN曝露実験に用いた所、耳石膜ダメージと平衡感覚障害を予防できた。</p><p>【結論】マウスを対象にしたLFN急性曝露の健康リスク評価により、前庭の耳石膜がダメージを受け、前庭の機能障害が誘発される事が分かった。また、その障害はHSP70の発現増強により予防できる可能性が示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 47.1 (0), P-151-, 2020
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390004222614839296
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- NII論文ID
- 130007898311
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可