シングルパーティクル(SP)-ICP-MS法によるITOナノ粒子投与ラット血清中金属ナノ粒子の評価

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  • Evaluation of metal nanoparticles in serum of rats treated with ITO nanoparticles by Single Particle (SP)-ICP-MS

抄録

<p>【はじめに】ナノ粒子の様々な一般消費財への利用が増加しており、それに伴い、ナノ粒子が及ぼす環境影響や生体影響が懸念されている。インジウム化合物は、フラットパネルディスプレイや半導体化合物において重要な材料として知られており、2013年に厚生労働省は特定化学物質障害予防規則を改正し、インジウム化合物を特定化学物質に追加した。シングルパーティクル(SP)-ICP-MS法は、ICP質量分析法の特長である高感度、高選択性、迅速測定、簡易なデータ処理などの特長を利用したナノ粒子の新たな分析手法で、粒子のサイズとサイズ分布、粒子濃度を測定できる手法として定着しつつある。今回、インジウム・スズ酸化物(Indium tin oxide:ITO)ナノ粒子をラットの気管内に投与し、血清中のインジウムナノ粒子の測定を行った。</p><p>【方法】雄性Wistarラットを用いて、1回投与量としてITOナノ粒子(Aldrich社製、一次粒子径18nm, 99.5%, 20 wt % in H2O)8.6 mg In/kg BWおよび25.8 mg In/kg BWを各4匹のラットにITOナノ粒子懸濁液1 ml/kg BWとして気管内に1回投与した。対照群(2匹)は蒸留水のみを気管内に投与した。投与後、ラットは無処置で放置し、40週まで経時的に安楽死させ、採血後、血清を採取した。血清中のInナノ粒子測定にはパーキンエルマー社製ICP-MS NexIONを用いた。</p><p>【結果】2投与量のITOナノ粒子を投与したすべてのラットの血清からInナノ粒子が検出され、対照群では検出されなかった。血清In粒子濃度の全血清In濃度に対する割合は3~6%(8.6 mg In/kg BW投与群)および2~28%(25.8 mg In/kg BW投与群)であった。気管内より肺へ投与されたITO粒子の一部は血行性に体内臓器へ移行すると考えられた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848647544837632
  • NII論文ID
    130007898323
  • DOI
    10.14869/toxpt.47.1.0_p-129
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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