血液透析患者に生じた <i>Mycobacterium chelonae</i> 皮膚感染症の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Cutaneous <i>Mycobacterium chelonae</i> Infection in a Patient with Hemodialysis
  • 症例 血液透析患者に生じたMycobacterium chelonae皮膚感染症の1例
  • ショウレイ ケツエキ トウセキ カンジャ ニ ショウジタ Mycobacterium chelonae ヒフ カンセンショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>78 歳,女性。末期腎不全で血液維持透析を施行していた。初診 1 年 4 カ月前より両下腿に皮膚潰瘍が出現し,近医の皮膚生検で血管炎を疑われプレドニゾロンを内服していた。当科初診時,両下腿に紅色~暗紫色の皮下結節が散在し,皮膚潰瘍を伴っていた。皮膚生検で真皮内に膿瘍を認め,Ziehl-Neelsen 染色で膿瘍内に好酸性に染まる桿状の菌体が散在していた。抗酸菌培養(小川培地 30℃ )で発育を認め,質量分析法にて Mycobacterium chelonae(以下 M. chelonae)を検出し,M. chelonae 皮膚感染症と診断した。 切開排膿,温熱療法,抗菌薬投与を行ったが難治であり,治療中に徐々に全身状態が悪化し,一般細菌による敗血症で入院 6 カ月目に永眠した。M. chelonae 皮膚感染症には未だ確立した治療方法がなく,免疫抑制剤使用症例や透析症例は難治である。また透析患者であることは死亡リスクとなり得るため,診断早期より複数の抗菌薬投与や温熱療法などを組み合わせて積極的な治療を行うことが重要である。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 82 (4), 294-298, 2020-08-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (7)*注記

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