茨城県特産赤ネギ品種 ‘ひたち紅っこ’ に含まれるフラボノイドの同定と抗酸化活性評価

書誌事項

タイトル別名
  • Flavonoids from the Red Leaf Sheaths of <i>Allium fistulosum</i> ‘Hitachi-benikko’ (Ibaraki’s Specialty Red Welsh Onion Cultivar) and Their Antioxidant Activity
  • イバラキケン トクサン セキ ネギ ヒンシュ'ヒタチ ベニッコ'ニ フクマレル フラボノイド ノ ドウテイ ト コウサンカ カッセイ ヒョウカ

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抄録

<p>赤ネギ品種 ‘ひたち紅っこ’(Allium fistulosum ‘Hitachi-benikko’)は地下部の葉鞘が鮮やかな赤色を呈する長ネギで,茨城県北 部城里町(旧桂村)圷(あくつ)地区で栽培される地方野菜から育成された.本研究では,赤ネギ品種 ‘ひたち紅っこ’ において,地下部のアントシアニンとフラボノールを同定するとともに,総ポリフェノール量と抗酸化能を測定し,抗酸化食品としての有用性を調査した.その結果として,赤ネギ品種 ‘ひたち紅っこ’ のアントシアニンとフラボノールについては,1種類の新規化合物(Cyanidin 3-O-(3″-O-acetyl-6″-O-malonyl)-glucoside)を含む4種類のアントシアニンと5種類のフラボノールを単離し,化学および分光分析により同定した.新規のアントシアニンは ‘ひたち紅っこ’ の地下部における主要アントシアニンであった.フラボノールについては,単離した4種類がいずれもQuercetinを基本骨格としていた.また,総ポリフェノール量と抗酸化能を測定した結果,赤色の地下部は,‘ひたち紅っこ’ の地上部や,白ネギ品種の地上部および地下部と比べて,高い総ポリフェノール量と抗酸化能(H-ORAC)の値を示した.これらの結果は赤ネギ品種 ‘ひたち紅っこ’ において,食品の機能性の面から付加価値を与えると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 19 (3), 237-245, 2020

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (27)*注記

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