両下肢の多発皮下結節から診断に至った 全身性アミロイドーシスの 1 例

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タイトル別名
  • Systemic Amyloidosis with Multiple Subcutaneous Nodules on the Bilateral Lower Extremities : A Case Report

抄録

<p>60歳,女性。初診 1 年前から左下腿の皮下結節を自覚した。皮下結節は徐々に増大し,右下腿にも出現したため当科を受診した。初診時,両下肢に下床と可動性良好な数 cm 大の皮膚皮下結節が多発していた。左下腿結節の病理組織学的所見では,真皮から皮下脂肪組織に淡紅色に染まる無構造物質の沈着があり,その周囲にリンパ球主体の炎症細胞浸潤が軽度みられた。無構造物質は Congo Red 染色と DFS 染色で赤橙色に染色され,アミロイド沈着と考えた。さらに,数年前から指摘されていた両肺の小結節の生検を行ったところ,アミロイドの沈着が確認された。その他の臓器には異常を認めなかった。以上より,全身性 AL アミロイドーシスと診断した。両下腿の多発皮下結節を生じるアミロイドーシスは限局性アミロイドーシスの症例が多く,全身性アミロイドーシスの診断契機となったのはこれまでの報告で自験例のみである。全身性アミロイドーシスは病型や臓器病変によって治療法や予後が異なるため,早期に治療介入できるように他科と連携して確定診断および病型の特定を行っていく必要がある。 (皮膚の科学,19 : 174-179, 2020)</p>

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 19 (3), 174-179, 2020

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1391412326423539200
  • NII論文ID
    130007931029
  • DOI
    10.11340/skinresearch.19.3_174
  • ISSN
    18839614
    13471813
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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