トシリズマブ投与で構造的寛解となった若年性特発性関節炎少関節型の男児例

DOI
  • 国島 知子
    社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院小児科 琉球大学医学部病態解析医科学講座育成医学分野(小児科学講座)
  • 金城紀子 紀子
    社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院小児科

書誌事項

タイトル別名
  • A7-year-old boy with oligoarticular JIA achieving the structural remission by tocilizumab treatment

抄録

症例は7歳男児.剣道練習中に右足首を捻挫した.免荷療法を施行されたが,両足関節の腫脹と察 痛に進展し,受傷6か月後の造影MRIで滑膜の増殖と軟骨破壊を認め, MMP-3が高値であり,若年 性特発性関節炎(JIA)少関節型と診断された.受傷9か月後からメトトレキサート(MTX)少量パルス 療法を開始したが,松葉杖なしでは歩行が困難となった.関節裂隙の狭小化の進行,MMP-3高値の持 続に加え,RF陰性にもかかわらず抗CCP抗体の異常高値を認めた.受傷1年7か月後よりトシリズ マブの投与を開始したところ,CRP, ESR, MMP-3が正常化し,関節裂隙の狭小化が著しく改善した. トシリズマブ以外の治療を中止でき,日常生活の制限はなくなった.  JIAの関節予後の予測因子として抗CCP抗体の値が有用となり得ることが示唆された.また,トシ リズマブは関節型JIA患者の骨・軟骨破壊を抑制して,罹患関節の構造的寛解をももたらす可能性が あると考えられた.

収録刊行物

  • 小児リウマチ

    小児リウマチ 3 (2), 72-76, 2010

    一般社団法人 日本小児リウマチ学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390286426523282688
  • NII論文ID
    130007932239
  • DOI
    10.34539/praj.3.2_72
  • ISSN
    2434608X
    24351105
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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