自己免疫性溶血性貧血の診断と治療

書誌事項

タイトル別名
  • Diagnosis and treatment of autoimmune hemolytic anemia: the role of B-1 cells in secondary AIHA
  • 自己免疫性溶血性貧血の診断と治療 : 続発性について考える
  • ジコ メンエキセイ ヨウケツセイ ヒンケツ ノ シンダン ト チリョウ : ゾクハツセイ ニ ツイテ カンガエル
  • —続発性について考える—

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抄録

<p>自己免疫性溶血性貧血(AIHA)はまれな疾患であり,原因については不明な点が多い。典型的な症例の診断は教科書的には血清学的検査により容易であるが,実際には直接抗グロブリン試験陰性AIHAなどに苦慮する場合があり,検査法を十分に理解しておく必要がある。また,治療には副腎皮質ステロイド薬が使用され長期投与となることが多いため,病態を的確に捉えて治療を選択し,合併症を避けなければならない。本稿では病態の理解を深めるため検査法の手順を図示し,治療に関しては副腎皮質ステロイド薬の投与方法などの注意点を述べる。また,治療抵抗性の際には続発性が疑われるが,AIHAに関連するリンパ増殖性疾患や自己免疫疾患の病態に,通常は自然免疫に働くとされるB-1細胞が関与するとの知見から,われわれが報告した大腸がんに続発する抗バンド3抗体によるがん関連貧血へのB-1細胞関与の可能性を検討し,正球性・大球性貧血における悪性疾患除外の必要性を示す。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (9), 1089-1097, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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