海産生物の生育に必要な水質 (全窒素・全リン濃度の下限値) の定量化：アサリおよび生物付着板を用いた現地調査

• 藤原 建紀

  京都大学名誉教授 いであ株式会社大阪支社環境技術部

• 樋口 和宏

  兵庫県漁業協同組合連合会

• 藤井 智康

  奈良教育大学理科教育講座

書誌事項

タイトル別名

• Minimum Nutrient Concentrations for Sustaining Marine Ecosystem Productivity: Measurement during <i><b>in</b></i> <i><b>situ</b></i> Growth Experiments of Bivalve and Sessile Organisms
• カイサン セイブツ ノ セイイク ニ ヒツヨウ ナ スイシツ(ゼン チッソ ・ ゼン リン ノウド ノ カゲンチ)ノ テイリョウカ : アサリ オヨビ セイブツ フチャクバン オ モチイタ ゲンチ チョウサ

抄録

内湾海域の生態系を維持するために最低限必要な, 全窒素TN・全リンTP濃度を現地実験によって調べた。実験では, TNの高い大阪湾北東部から低い播磨灘にかけて, 栄養塩濃度勾配に沿って7測点を設け, アサリおよび付着生物群集の栄養状態・成長速度と, TNとの関係を調べた。また, 実験海域の一次生産量分布を計算で求めた。調査海域の一次生産量は, TNに強く比例する海域と, 一次生産量の低い外海の特性を持った海域に明瞭に分かれ, その境界はTN＝0.2 mg L^-1であった。アサリの軟体部湿重量はTNと強い正の相関があった。アサリの栄養状態は, TN < 0.3 mg L^-1の海域では低く, 気象擾乱等で減耗が起きやすい状態であった。付着板上の生物量は, 海域のTNと高い相関があった。海域の年平均TNとTPの間には強い相関関係があり, TN＝0.2 mg L^-1はTP＝0.029 mg L^-1に相当した。

収録刊行物

• 水環境学会誌

  水環境学会誌 43 (6), 175-182, 2020

  公益社団法人 日本水環境学会

キーワード

• 全窒素
• 下限値
• 生物生産性
• 大阪湾
• 播磨灘

詳細情報

• CRID: 1390849376469546752
• NII論文ID: 130007937879
• NII書誌ID: AN10372439
• DOI: 10.2965/jswe.43.175
• ISSN: 18813690
• ISSN: 09168958
• NDL書誌ID: 031199094
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I031199094
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jswe/43/6/43_175/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可