鼻副鼻腔奇形癌肉腫4症例の臨床的検討

  • 新見 理恵
    千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
  • 櫻井 大樹
    千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
  • 大木 雄二
    千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
  • 飯沼 智久
    千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
  • 山崎 一樹
    千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学
  • 花澤 豊行
    千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学

書誌事項

タイトル別名
  • A clinical study of sinonasal teratocarcinosarcoma: Report of four cases

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抄録

奇形癌肉腫は鼻副鼻腔領域に発生する極めて稀な高悪性度腫瘍である。多彩な組織像を呈することから診断は容易でなく,明確な治療方針が確立されていない。今回我々は,鼻副鼻腔奇形癌肉腫を4例経験したので若干の文献的考察を加え報告する。男性1例,女性3例,年齢は49〜77歳(中央値65歳)であった。1例は急速増大を示し,前鼻孔から中咽頭にまで進展したため,気管切開術を要した。治療は,手術,化学療法および放射線治療を組み合わせており,1例は外切開による前頭蓋底手術,他3例には内視鏡下手術による前頭蓋底手術が施行された。化学療法施行例では,ドセタキセルを用いた2例で著明な腫瘍の縮小を認めており,今後その効果の検討が期待される。観察期間は1年〜10年10ヶ月に及び全例が非担癌生存状態である。本腫瘍は進行が非常に速い症例もあり,生検時に十分量のサンプリングを行い,可及的迅速に集学的治療が開始される必要がある。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 46 (3), 311-316, 2020

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (14)*注記

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