肺癌患者における開胸肺葉切除術と頸部操作による腺腫様甲状腺腫摘出術の同時施行例

  • 上里 迅
    琉球大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 真栄田 裕行
    琉球大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 金城 秀俊
    琉球大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 安慶名 信也
    琉球大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 平川 仁
    琉球大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 鈴木 幹男
    琉球大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A case report: Simultaneous lung thoracotomy and adenomatous goiter resection by cervical manipulation in a patient with lung cancer

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抄録

肺癌患者において開胸下の右上葉切除術と,頸部アプローチによる巨大な腺腫様甲状腺腫(AG)摘出術の同時施行例を経験したので報告する。患者は頸部圧迫感を主訴とする70歳の男性。精査の結果,右肺上葉S2区の肺癌と同時に上縦隔におよぶ右甲状腺腫瘤が発見された。甲状腺腫瘤は気道を圧排し,頸部圧迫感の主因であると考えられたため,肺癌と同時に甲状腺腫瘤摘出が計画された。AGは頸部操作のみで摘出可能であった。術後の経過は極めて順調であったが,縦隔炎や膿胸,胸骨骨髄炎など合併症の発症リスクを抑えるため,気管切開を併施せず,気管内挿管による気道管理を選択したことが理由として考えられた。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 30 (2), 233-238, 2020

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

参考文献 (7)*注記

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