製紙業界におけるDNA技術によるバイオコントロール性能の向上

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タイトル別名
  • Enhanced Biocontrol Performance through DNA Technology in the Paper Making Industry
  • セイシギョウカイ ニ オケル DNA ギジュツ ニ ヨル バイオコントロール セイノウ ノ コウジョウ

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抄録

<p>本研究では,ハイスループット配列決定技術とメタゲノミクスを用いて,製紙プロセスにおけるバイオフィルム形成細菌を同定した。バイオフィルム形成につながったバクテリアの分類学的分類を評価した。問題のある細菌をグループ化し,リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を用いて定量した。メタゲノミクスおよびqPCRに基づく,製紙プロセスにおける原因細菌の同定および検出するこの技術は,メタゲノミクス解析プロトコル(MAP)としてナルコウォーターによって開発された。MAPを用いた1件のケーススタディでは,標的微生物制御処理が紙の品質と生産性能の改善をもたらしたことが実証された。</p><p>メタゲノムアプローチは,多次元の微生物群集を提供し,バイオフィルム形成,臭気および腐食を含む微生物機能活性の予測を可能にする。バイオフィルムコミュニティーは,異なるグレードの紙を生産する工場間,そして同じ工程系内の異なる場所間でさえも非常に多様であった。メタゲノム技術は,将来,産業革新を促進する。DNAを基盤とした技術を適用することで,未培養の微生物種を解明し,操作条件や製品品質に関わる問題のある細菌種を同定することができる。MAP技術は,従来の培養アプローチを上回る機械効率を改善するために,より的を絞った積極的な生物制御プログラムの開発を促進する。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 74 (9), 899-903, 2020

    紙パルプ技術協会

参考文献 (2)*注記

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