暖候期夜間の熊谷市における都市と郊外との相対湿度差に関する季節推移と年々変化
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- 澤田 康徳
- 東京学芸大
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- 重野 拓基
- 中央大学付属高校
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- 埼玉県熊谷市 政策調査課
- 埼玉県熊谷市
書誌事項
- タイトル別名
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- Seasonal and Interannual Variations about Urban-Rural Relative Humidity Differences in Kumagaya City for the Warm Season Night
抄録
<p>目的 相対湿度は,飽和水蒸気圧に対する水蒸気圧の分圧の割合として算出され,分母子に関わる都市の高温や低水蒸気圧から多く議論されている.多数の移動・定点観測に基づく季節的特性は,冬季および日中に都市と郊外との差が明瞭である(榊原 1995など).夜間は熱中症と密接で(中井 1993),差が小さくとも暑熱環境を論じる上で重要で,単年度より長期間の資料から相対湿度の都市と郊外との差の季節推移を定量的に捉えておく必要がある.また,経年変化は大都市について調査されており,郊外との差を検討する資料は多くない.本研究では,暑熱地域の熊谷市における暖候期夜間を対象に,相対湿度に関する都市と郊外との差の季節推移および年々変化をとらえる.</p><p></p><p>方法 対象期間は,市による観測開始後の2010〜2018年(5月〜10月,1時〜6時)である.水蒸気圧の都市と郊外との差(⊿)は,風速が大きい場合に不明瞭であり,晴天静穏日を対象とする.対象日の選定は,日平均風速が2.5m以下,日照時間が5時間以上,無降水(0mm)期間が1時の前7時間〜全日の日とした.無降水日は,夏季において降水終了7時間程度経過後,気温が晴天日の状態に戻ること(澤田・秋元 2017)を考慮した.資料なしおよび気象台と比較した異常値を欠測とし,欠測が対象期間の20%以上の地点を除いた.アスマンと市の観測(通風シェルター・百葉箱)の器差平均は,気温は−0.6℃・0.21℃,相対湿度は6.76%・5.74%であったが(重野ほか 2020),都市(4地点)と郊外(8地点)との差分を議論する上で,誤差が気温(≦±0.2℃)湿度(≦+2%)とも小さい地点を対象とし,観測値を補正せずに用いた.着目した気候要素は,相対湿度(RH)と気温(T)および飽和水蒸気圧(SVP),水蒸気圧(VP)とそれらの都市と郊外の差(⊿)である.</p><p>結果 相対湿度は,平均的に盛夏期(7・8月)で高く春秋期(5・10月)で低い.⊿RHは,高湿な盛夏期に小さい.また,平均値は全期間負を示し,都市の相対湿度は期間通して郊外より低い(図1).⊿RHと⊿Tが夏季に小さい従前の研究結果は(例えば尾島・岡 1976)),夜間についても同様の傾向を示すことが分かる.一方,平均的に⊿SVPは0.5~1hPa,⊿VPは0~0.5hPaの範囲で推移し,⊿RHや⊿Tの季節推移と対応しない.盛夏期は⊿Tが小さいものの,気温により決まるSVP自体が大きく,⊿SVPも大きいため季節差が生じていない.⊿RHの増減には,都市と郊外および両者の高低が関わる.それらの関係として相対湿度と⊿RHの相関係数は,都市では有意(r=0.64),郊外は有意でない値(r=0.18)を示す(図2).すなわち,季節通して都市より郊外は高湿で,都市の大きな相対湿度の高低が⊿RHに関与している.年々の特徴をとらえるために,都市の相対湿度を高・中・低湿の階級に分けると(表1),都市の高湿年には⊿RHがやや小さく,⊿Tやそれに準じる⊿SVPは若干大きい程度である.一方,⊿VPは大きく,都市の相対湿度は中・低湿年より高い.高湿年は飽和水上気圧が高い都市で水蒸気圧が高く結果として相対湿度が高い値を示すと考えられる.数十年平均では,気温と水蒸気圧の増減の整合が時期や都市により多様であるが(小林ほか 2000),長期変動に内在する年々単位の変化にも相対湿度に対する水蒸気圧の差が確認された.</p>
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2020a (0), 28-, 2020
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1391130851450339200
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- NII論文ID
- 130007949187
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可