巨大皮角を形成した頭部熱傷瘢痕の1例

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タイトル別名
  • A Case of a Giant Cutaneous Horn Originating from a Burn Scar

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抄録

 症例は62歳, 女性. 2歳時に熱湯による熱傷を受傷し, 以後, 後頭部に熱傷瘢痕による禿髪を認めていた. 1年前から痂皮の形成, 脱落を繰り返し, 半年前から骨様の皮角を形成して, 徐々に増大したため受診した. 初診時, 高さ4.5cmの巨大皮角を認めた. 部分生検および画像診断では悪性所見を認めなかったが, 全切除して永久標本による確定診断が望ましいと判断した. 第1回目の手術では頭蓋骨外板上で腫瘍を切除し, 人工真皮貼付を行った. 永久標本で悪性所見を認めず, 外板上に良好な真皮様組織が形成されたため, 第2回目の手術で全層植皮を行った. 現在まで再発, 悪性腫瘍の出現を認めず経過は良好であるが, 今後も引き続き定期的な経過観察が必要である.

収録刊行物

  • 熱傷

    熱傷 46 (5), 187-191, 2020-12-15

    一般社団法人 日本熱傷学会

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