福祉サービスの地理学における「多様な経済」と感情への着目の必要性

書誌事項

タイトル別名
  • Necessity of Perspective of ‘Diverse Economies’ and Emotion in Geographical Studies about Welfare Services:
  • 福祉サービスの地理学における「多様な経済」と感情への着目の必要性 : 日本における保育・介護サービスを中心に
  • フクシ サービス ノ チリガク ニ オケル 「 タヨウ ナ ケイザイ 」 ト カンジョウ エ ノ チャクモク ノ ヒツヨウセイ : ニホン ニ オケル ホイク ・ カイゴサービス オ チュウシン ニ
  • Focusing on Care Services for Childcare and Elderly Care in Japan
  • ―日本における保育・介護サービスを中心に―

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抄録

<p>    本稿は,ケア・サービスの地理学におけるインフォーマルな領域への着目について,ケア労働の特色と新自由主義的福祉政策の影響を重視しながら検討し,今後の研究上の課題として,感情・関係性への視点の必要性を指摘するものである.まず,空間的組織化論と福祉国家論,女性労働力の編成理論を整理したうえで,福祉の地理学およびケアの地理学の展開を踏まえ,経済システムの変動と関連しながら発生する広義のケアの地理的・空間的編成とその倫理,グローバル・ケア・チェーンの中で働くケア労働など,インフォーマル領域を含む「多様な経済」への視点拡張の必要性を示した.続いて,日本のフォーマルなケア・サービスにおける東京一極集中を背景とした労働力不足や労働移転の実態を示し,ケアの特質である感情労働やケアへの権利の観点からケア・サービス供給の不全との関連性を検討した.これらを踏まえたうえで,ケア・サービス供給の実効性と持続可能性を担保するために,ケア・サービスの労働者と利用者双方を集合的・数量的に取り扱う分析のみならず,ケア労働者を含む主体の感情・関係性に着目する分析と,ケア・サービスの地理学における「ケア空間」および「第三の空間」の積極的な導入を提案した.</p>

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