肥満ラットの有酸素性トレーニングによる動脈血管のapelin産生の増加は内皮型一酸化窒素合成酵素の活性に影響する

  • 井上 健一郎
    立命館大学 スポーツ健康科学部
  • 藤江 隼平
    立命館大学大学院 スポーツ健康科学研究科 日本学術振興会特別研究員DC
  • 長谷川 夏輝
    立命館大学大学院 スポーツ健康科学研究科 日本学術振興会特別研究員DC
  • 堀居 直希
    立命館大学大学院 スポーツ健康科学研究科
  • 内田 昌孝
    立命館大学 スポーツ健康科学部
  • 佐藤 幸治
    神戸大学大学院 人間発達環境学研究科
  • 家光 素行
    立命館大学 スポーツ健康科学部 立命館大学大学院 スポーツ健康科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Exercise training-induced increase in arterial apelin level affects endothelial nitric oxide synthase activation in obese rats
  • ヒマン ラット ノ ユウサンソセイ トレーニング ニ ヨル ドウミャク ケッカン ノ apelin サンセイ ノ ゾウカ ワ ナイヒガタ イッサンカ チッソ ゴウセイ コウソ ノ カッセイ ニ エイキョウ スル

この論文をさがす

抄録

【背景】肥満者の動脈硬化度は増大するが,習慣的な有酸素性運動は動脈硬化度を低下させる効果がある.その機序には,動脈血管の内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)タンパク活性を介した血管拡張物質である一酸化窒素(NO)産生の増加が関与することが報告されている.近年,eNOS活性の調節に関わる生理活性ペプチドとしてapelinが同定された.しかしながら,肥満者の有酸素性トレーニングによる動脈血管のapelin産生の増加がeNOS活性に関与するかについては明らかでない.【目的】本研究では,肥満モデルラットの有酸素性トレーニングによる動脈血管のapelin濃度の変化がeNOSリン酸化活性に関与するかについて検討することを目的とした.【方法】10週齢のWistar系雄ラット13匹に高ショ糖食を14週間摂取させた肥満モデルラットを用いて,肥満対照群(n=7)と肥満運動群(n=6)の2群に分けた.肥満運動群は,1時間/日,5回/週,25m/分のスピードでトレッドミル走を6週間行った.【結果】肥満運動群の体重は肥満対照群と比較して有意に低下し,ヒラメ筋重量とクエン酸合成酵素活性は肥満対照群と比較して肥満運動群で有意に増加していた(p<0.05).また,肥満運動群における動脈血管のapelin濃度およびapelin受容体のAPJタンパク発現量,eNOSリン酸化活性は肥満対照群と比較して有意に増加していた(p<0.05).さらに,動脈血管のapelin濃度とeNOSリン酸化活性との間には有意な正の相関関係が認められた(r=0.605, p<0.05).【結論】肥満モデルラットの有酸素性トレーニングによる動脈血管のapelin濃度の増大はeNOSリン酸化活性の増加に関与している可能性が示唆された.

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ