骨盤臓器脱の診断におけるpelvic organ prolapse quantification (POP-Q) system の検者間信頼性について

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  • Interobserver reliability of pelvic organ prolapse quantification (POP-Q) system.

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抄録

<p>【目的】骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse: POP) の診断は、Pelvic Organ Prolapse Quantification(POP-Q)system による客観的評価を用いて広く行われている。POP 診療に従事する2 名による、POP-Q system の検者間の信頼性を検討した。</p><p>【方法】岐阜赤十字病院ウロギネセンターを受診した患者で、診察の同意が得られた32 名を対象とした。検査方法は、内診台で、ジモン腟鏡とものさしを用い、腹圧負荷をかけさせた状態で、POP-Q のうちTvl 以外を計測し、Tvl は臓器脱を還納し計測した。検者は泌尿器科医と産婦人科医の2 名で、1 人の患者に対して、検者1 の診察終了後、直ちに検者2 が診察し、お互いの記録は盲検化した。9 つの計測値はSpearman 相関係数、部位別のstage と、最も下垂した臓器によるsummary stage は重み付きkappa 係数により解析し、有意水準は5% 未満とした。</p><p>【結果】対象の年齢は68.0 ± 9.3 歳、子宮摘除後が3 名含まれていた。泌尿器科医によるstage の内訳は、stage 0が6 名、Ⅰが8 名、Ⅱが14 名、Ⅲが4 名、産婦人科医では同様に5 名、7 名、18 名、2 名、stage Ⅳはどちらも認めなかった。各計測値の相関係数は、Aa: 0.909, Ba: 0.908, C: 0.486, Gh: 0.803, Pb: 0.440, Tvl: 0.318, Ap: 0.592, Bp: 0.592, D: 0.600(p=0.077 ~ <0.001)と中等度のものから非常に高い相関までみられた。stage の相関について、部位別に、前腟壁:0.873、後腟壁:0.543、子宮頸部/腟尖部:0.662、summary stage(最下点):0.820(いずれもp<0.001)、stage の完全一致率は72% であった。</p><p>【考察】本研究において、POP-Q system の再現性は許容し得るものであり、stage 診断の高い検者間信頼性を確認することができた。</p>

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