福岡県内の平成30年7月豪雨災害の特徴

書誌事項

タイトル別名
  • The Characteristics of Flood Disaster Induced by the Heavy Rain Event of July 2018 in Fukuoka Prefecture
  • フクオカ ケンナイ ノ ヘイセイ 30ネン 7ガツ ゴウウ サイガイ ノ トクチョウ

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抄録

<p>本研究では平成30年7月豪雨による福岡県の被害状況に関して整理した。福岡県は,その被害数は他県と比較して少なく,西日本豪雨被害域の縁辺にある。そこで現地では,中心に加え縁辺にも注目し空間理論を構築する地理の基本的な手法を念頭に置き被害調査を行った。本稿では氾濫被害が報道された4地域の調査結果を報告する。筑前町中牟田では人工的に築造された溜池の決壊による氾濫水が小学校の被害を増した。久留米市北野町では旧河道にある宅地の十分な盛土が浸水被害を少なくした。久留米市東合川では,ポンプ施設の不十分な排水能力が元水田地帯の宅地の被害を増した。久留米市城島町では,水門閉鎖とポンプ施設の不十分な排水能力が宅地の被害を増した。このように福岡県では,生活の利便性や安全性向上を目指す人間活動が,被害の増減に影響を与えている姿が縁辺故に鮮明となった。</p>

収録刊行物

  • 地理科学

    地理科学 75 (3), 146-154, 2020-12-28

    地理科学学会

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