天然物合成が引き出す複雑天然物の力
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- 難波 康祐
- 徳島大学 大学院医歯薬学研究部(薬学域)
書誌事項
- タイトル別名
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- The power of complex natural products derived from natural product synthesis
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抄録
<p>Palau’amineは顕著な免疫抑制活性を示すピロール・イミダゾールアルカロイドであり、最も合成が困難な化合物として世界中の合成化学者の注目を集めた天然物である。筆者らは、独自に開発したHg(OTf)2-触媒的オレフィン環化反応を用いて、まずヒドラジドをE環上に導入しながら含窒素4置換炭素を構築した。ついで、ヒドラジドの互いにつながった2つの窒素原子を切り離しながら、B環とD環の2つの環構造を連続して形成させることで、palau’amineの主要構造となるABDE環を1段階で得ることに成功した。基本骨格となるABDE環から、CF環の導入と各種官能基変換を経てpalau’amineの全合成を達成した。合成したpalau’amineの免疫抑制活性を調査したところ、天然物の鏡像異性体には免疫に関する未知の作用が秘められていることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- MEDCHEM NEWS
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MEDCHEM NEWS 29 (4), 183-187, 2019-11-01
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390005667264211584
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- NII論文ID
- 130007981794
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- ISSN
- 24328626
- 24328618
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可