知的能力障害を伴う1型糖尿病児の周術期管理経験

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  • Perioperative Management of a Type 1 Diabetes Child with Intellectual Disability

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抄録

<p>1型糖尿病(IDDM)は膵臓ランゲルハンス島β細胞が自己免疫不全により破壊され,絶対的なインスリン不足に陥る疾患である.小児における発症率は年間10万人に1.5~2人である.周術期管理の問題点として,血糖値の変動が大きく管理が難しいことが挙げられる.</p><p>今回,知的能力障害を伴う小児の1型糖尿病患者の周術期管理を経験した.患児は11歳女児,HbA1c 12.7%,随時血糖343mg/dlでIDDMの診断を受け,強化インスリン療法を行っていた.構音障害を認め,治療による早期介入が必要であったため,全身麻酔下で咽頭弁形成術が計画された.術前より糖尿病内科専門医と綿密な連携をとり,入院下で血糖管理を行った.術中はブドウ糖およびカリウム含有の輸液を行いながら,短時間作用型のインスリンを持続投与することで,血糖値と電解質を適切に管理しえた.術後は低血糖発作を起こしたものの,適切に対応を行い,重篤な合併症なく管理することができた.</p>

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