アレキシサイミアにおける島皮質での内臓知覚と自覚的感覚の乖離

  • 鹿野 理子
    きらり生活協同組合須川診療所 東北大学大学院医学系研究科行動医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Discrepancy between Subjective Sensation and Visceral Perception in the Insular Cortex in Alexithymia
  • アレキシサイミア ニ オケル シマ ヒシツ デ ノ ナイゾウ チカク ト ジカクテキ カンカク ノ カイリ

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抄録

<p>アレキシサイミアにおける内受容感覚は, 心身症発症メカニズムの探索, またヒトの根本的な感情と身体の相互作用プロセスを理解するうえで関心が集まっている. 先行研究は検討手法や対象とする内受容感覚の質の違いがあり, 矛盾ともいえる結果を示している. しかし, アレキシサイミアでの心拍カウント課題の精度低下や大腸刺激時の内臓感覚閾値低下から, 内受容信号を検知する機能としての内受容感覚は低下している可能性がある. 一方, 質問紙などでの評価のような自身の身体感覚や身体症状の認識という意味での内受容感覚は増幅している可能性がある. また, 自験例では, アレキシサイミア傾向が高いほど大腸刺激や副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン投与に対する神経内分泌反応が亢進し, 大腸刺激時に内臓感覚の投射路である島皮質の脳活動も亢進していた. アレキシサイミアでは内受容感覚が変化し, 生理学的身体反応性も変化し, それらの機能的関連も変化している可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 61 (2), 153-157, 2021

    一般社団法人 日本心身医学会

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