ウキクサ葉状体からの新規植物生育促進細菌の分離と性質

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  • Isolation and Characterization of Novel Plant Growth-Promoting Bacteria from the Fronds of Duckweed

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抄録

<p> 本研究では3種類のウキクサ亜科植物の葉状体から分離された微生物ライブラリーから植物生育促進細菌(plant growth-promoting bacteria; PGPB)を探索した。計25株を二段階のスクリーニングに供したところ、SP-2-C10株のみが通過した。この細菌株は葉状体から取得された初めてのPGPBであり、また、希少な細菌属であるAquidulcibacterに属していた。SP-2-C10株は無菌条件下で細菌非接種のコウキクサ(Lemna minor)に比べ、最大3.6倍の生育促進効果を示した。また、様々な競合微生物が存在する下水二次処理水中でもコウキクサに対する高い生育促進効果を示すことが明らかとなった(2.1倍)。</p><p> この細菌株のコウキクサの葉状体、根に対する定着性を評価したところ、無菌のHoagland培地では葉状体と根で同程度の細菌数が確認されたが、下水二次処理水では根と比べ葉状体に対して特に高い定着性を示し、この現象は当該菌株が葉状体から分離されたことに起因していると考えられた。以上の結果は、PGPB等の有用微生物の導入によるウキクサの機能強化とそのウキクサを用いた廃水処理およびバイオマス生産システムの構築における有用な知見となるであろう。</p>

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